この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
幸せのカタチ
第2章 セフレ

大木は着替えを済ませると隣の部屋にあるダイニングテーブルの椅子に腰かけてスマホをいじっている。
私は脱がされたパーカーワンピースを素早く着て同じく椅子に座った。
大木は何事もなかったかのようにスマホをいじっていた。
私はかなり虚しさをこの時感じていたのだ。
それを大木は知らない。
いつだったか、私は大木にこう聞いた事があった。
「私のどこが好きでウチに来るの?」
「え?未来の全てが好きだからだよ…」
私の全てが好きだと言いながら、亡くなった倫也の話しをするとそれを拒否するのだった。
そして、こう言う。
「俺には関係ない人だから、話したければ俺以外の人に話してくれないか?」
私はこれを聞いて私の全てが好きだと言う言葉を信じられなくなった。
こんな関係がもうかれこれ6年も続いているのだ。
私は大木を恋人だと思ったことはない。
セフレだとも思ったことが無かった。
大木からLINEなどの連絡は殆どなかったのだ。
そんな連絡もしない大木はいつもこういう。
「仕事が忙しくてそれどころじゃない…」
今年に入ってから大木から連絡は1度もなかった。
もう、こんな関係はやめたいと思ったのは言うまでもなかった。
私は大木との関係をやめようと真剣に考え始めた。

