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真昼の幽霊
第6章 地獄行き
 
 黄――グリッ♡!!ぐにゅっ♡!

「っ、ふっ、ん」

 やや急停止気味にバスがスピードを緩める。軽い衝撃と共に体が前のめりになってより強く股をタローの手首に押し付けしまった。

 赤――くりゅ♡、くりくりっ♡

「ぁっ♡、あっ♡あっ♡」

 振動を止めたくてぎゅっと股の間にある腕を太ももで挟みこむ。そうすると逆にもっと金具がクリに密着して強い刺激を感じる。もう舌がしまえない。短くエンジン音が途切れる音と息継ぎが重なっていく。
 もう少しで。

 青――くい♡、くい♡

「はっ、はっ、あっんっぁ♡、やっ♡」

 発進と同時にタローの腕がずらされ股から離れていく。何回目かも分からない。ちらりと横の彼を見ると、つまらなさそうにスマホをいじっているのが憎たらしい。腰が反り足が少しずつ開いて、腕を追いかけてしまう恥ずかしさにぐっと太ももに力を入れて我慢する。

 ずっと青だったら早く着くのに、目的地よりも次の信号が気になって仕方がない。
 こんなの地獄行きのバスだ。
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