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ぬれて、あふれて、きょうもまた  ~気づかされた悦びに溺れ~
第4章 気が遠くなるほど愛されて
 「今度はわたしが洗う!」と言って優美はぬるぬるになった智之のスキャンツを脱がせた。

 智之の体から吹き出されたべっとりした液体のついたスキャンツがいとおしくてたまらなく、洗うのが惜しいと思った優美は、洗い終えたあと生乾きのままハンガーに干しながら、智之に訊ねた。

「これ持って帰ってもいい?」
「だめだよ、見つかったらどうするの」
「わたしのとあまり大きさ変わらないわ」
「前の形が違うよ」
 
 たしかにレディスとは違うマチがそこにはあって、並んで干されている下着を見ながらふたりは笑い合った。

 満たされ合って少し落ち着くと、下着姿のままコーヒーを淹れてソファに並んで座った。

「もう逢えなくなるのかしら…」
「優美の都合で考えよう」
「そうね…」
「無理はさせられないから」

 智之の言うとおりだった。
 絶対に発覚してはならない関係だから、お互いにLINEも読んだら必ず削除するようにしていた。

(そう… 絶対に知られてはならないのだ)

 口には出さず、お互いにそう思っていた。


 コーヒーを飲んだのに、ソファで抱き合ったまま優美はいつの間にか眠ってしまっていた。
 ほんの数分だったと思うのだが、目を開けるとやさしい表情で見下ろす智之の顔が目の前にあった。

「少し寝ようか」
「うん」
 
 うなずいて返事をしてから抱きかかえられてベッドへ下ろされた優美は、この幸せなときがもうすぐ終わるのかもしれないと思うと思わず涙がこぼれた。

「ゆみ… 大好きだよ…」
「わたしも… だ・い・すき…」
 智之の胸に顔をうずめて腕に抱かれているうちに、ほんとうに優美は穏やかな眠りに落ちた。
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