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ぬれて、あふれて、きょうもまた  ~気づかされた悦びに溺れ~
第4章 気が遠くなるほど愛されて
「あああああ… あああ…」

 入口で少しだけとどまってから彼がひと息に中へ入ってくる。

「うれしい… うれしい…」

 きつく抱きしめられた優美の体の芯の一番奥までゆっくりと深く智之が貫いた。

「ああああ… あなた… あなた…」
「ゆみ…」 

 お互いに息もできないくらい両腕で抱きしめ合いながら、唇を重ね合って舌を絡ませたまま智之の腰が大きく動き始める。

「んんんぐ… ああああああ…」

 耐えられなくなって優美は唇を離すと、智之の首に縋りついた。
 深く曲げられた膝を呼ぶようにして自分の腰も彼に合わせて動く。

「あなた… あなた… もっとして… もっと!」

 そんな言葉を優美は初めて口にした。

 智之が激しく前後に動き、彼が奥襞に当たるような気がする。
 
「ああああああ… ああああ… いい… すごい… すごくいい…」

 無意識のうちに両脚は大きく開き、リズミカルにベッドのきしむ鈍い音が部屋に響く。

「わたし… もうだめ… だめ… いっちゃう…」
「おいで… ゆみ… おいで…」
「いっしょに… いっしょに… い、いっちゃう…」
「ぼくも… いっしょにいく…」
「あああああああ… ああ… ごめんなさい… わたし…いく、いっちゃう…」
「ゆみ… いくよ…」
「きて! あなた… きて! あああああ… ほんとにいっちゃう…」
「ゆみっ!」
「い、い、いく、いくわ… いく、いく、いくいくいくいく、いくっっ!」

 智之の放った熱いものが何度も何度も体の奥深くに打ち付けられるのをはっきりと感じて、体中のものが飛び散るような感覚に襲われた優美は、伸びきった脚先を激しく震わせながら絶叫した。


 これからどうしようかという気持ちなど吹き飛ばして優美の意識が遠のき、重なり合ったふたりがつながったところの真っ白なシーツには夥しい染みが広がっていった。
 
-完-
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