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母なる果実
第5章 Page.4 果実の動揺 後篇

男が一人、洗面所で身体を拭いていると、まるでさっきまでの出来事が夢だったかのように思えてきていた。湯気と二人の熱気とでなんだか少しぼやけた記憶になっているような――それでも身も心もさっぱりと清々しい気分だった。
彼女はというと、先に身体を拭き終えて、「ご飯用意するね」と言って洗面所を後にしていた。やっぱりここは彼女の家なのだな、と今更になって実感する。
夢現にぽーっと居間のドアを開けると――そこには、頭にタオルを巻き、下半身に下着一枚だけを穿いたあられも無い姿でぱたぱたと歩き回る彼女の姿があった。
「あ、焼けたから食べよー」
トーストの香ばしい匂いの中に響く惚けた声。振り返るその胸には、包むものが無く自然のまま晒された豊かな果実がゆさゆさと揺れていた。
「ちょ、ちょっと。せめて隠して!風邪ひいちゃうから」
男は視線を泳がせながら、しどろもどろに言葉を漏らした。
「えー、だって暑いんだもん」
ふふ、と悪戯っぽく笑ってみせる。
「それに、君だって同じようなもんだぞう?」
彼女の視線を追うように自らの身体に目をやると、首からタオルをかけて下半身を包む下着のみを着た、彼女とほとんど同じような格好をした自分の姿が飛び込んできた。
「…うぐ、すみません…」
罰が悪そうに顔を上げ、苦笑いしながら詫びる。その様子に彼女は、にししと歯を見せて笑いながらテーブルにトーストを並べていった。
やっぱりさっきの出来事は夢だったんじゃなかろうか――男はそんなこと考えながら、香ばしい匂いに腹の虫を小さく鳴らし、朝日が煌々と差すその部屋へと足を踏み入れるのだった。
彼女はというと、先に身体を拭き終えて、「ご飯用意するね」と言って洗面所を後にしていた。やっぱりここは彼女の家なのだな、と今更になって実感する。
夢現にぽーっと居間のドアを開けると――そこには、頭にタオルを巻き、下半身に下着一枚だけを穿いたあられも無い姿でぱたぱたと歩き回る彼女の姿があった。
「あ、焼けたから食べよー」
トーストの香ばしい匂いの中に響く惚けた声。振り返るその胸には、包むものが無く自然のまま晒された豊かな果実がゆさゆさと揺れていた。
「ちょ、ちょっと。せめて隠して!風邪ひいちゃうから」
男は視線を泳がせながら、しどろもどろに言葉を漏らした。
「えー、だって暑いんだもん」
ふふ、と悪戯っぽく笑ってみせる。
「それに、君だって同じようなもんだぞう?」
彼女の視線を追うように自らの身体に目をやると、首からタオルをかけて下半身を包む下着のみを着た、彼女とほとんど同じような格好をした自分の姿が飛び込んできた。
「…うぐ、すみません…」
罰が悪そうに顔を上げ、苦笑いしながら詫びる。その様子に彼女は、にししと歯を見せて笑いながらテーブルにトーストを並べていった。
やっぱりさっきの出来事は夢だったんじゃなかろうか――男はそんなこと考えながら、香ばしい匂いに腹の虫を小さく鳴らし、朝日が煌々と差すその部屋へと足を踏み入れるのだった。

