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第32章 番外編　　私と旦那さんの結婚記念日　セトレ編

チャペルの出入り口の所で
プランナーさんに、お世話になったお礼を
旦那さんの身体の陰に隠れながら伝えて。

そのまま…逃げるようにして
ディナーをするレストランへと向かった。

明石海峡大橋が見える窓際の
特等席のテーブルに案内して貰って。

ドリンクのペアリングを
旦那さんがディナーと一緒に
予約をしてくれていたから。

私達がテーブルに着くと…
乾杯にピッタリの
スパークリングワインが注がれる。

テーブルの上に置かれている
キャンドルの灯りに
グラスの中のスパークリングワインが
照らされて浮かび上がる。

『巴、僕達の結婚１周年に
乾杯しましょうよ』

旦那さんがグラスを差し出して来て
私も自分のグラスを手に取ると
旦那さんのグラスと合わせて乾杯した。

セトレと言えば…の淡路島の
形をしたディープブルーの
プレートの上に淡路瓦を置いて
その上にお皿が置かれる。

最初に運ばれて来たのは、

猪豚のリエット
鱧のテリーヌ
かぼちゃのクロケッタ　の

３品のお料理で…。

それぞれ別のお皿に
盛り付けられていて。

『前の時と料理が違いますね』

季節的には同じ８月だから
旬の食材は同じだろうけど…
去年の時と…内容が違っていて。

その次に運ばれて来たのは

柴山西洋野菜園の野菜と
あわじどりの菜園風

色とりどりのお野菜が
まるでお花畑みたいだなって
可愛らしい感じの一皿で。

お料理毎にペアリングした
ワインも提供して貰えるから
お料理に合ったワインも頂けて。

その次に運ばれて来たのは
ツバスのセミクロード…で
ソースにはナスを使っているのだそう。

セミクルードって言うのは
お魚の表面を軽く炙ったりとか
スモークしたりする調理法で。
日本で言えばタタキみたいな感じ。

『これ、美味しいですね、巴』

「うん、ツバスってちょっと
あっさりし過ぎかなって
思ったけど…美味しいね」

その後に出て来たのは
さくら卵と伝介穴子のカルボナーラで。

伝介穴子って何なんだろうって
思ってたら凄い特大サイズに
成長した穴子の事を
伝介穴子って呼ぶらしい。