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第36章 番外編　結婚記念日…翌日

え？何事？？って思ってたら。

ちゅっと旦那さんがキスをして来て。

更に何事？？？ってなったんだけど。

先に…空に…上って行った
２つの風船を…追いかけるみたいにして。

色々な色の…風船が…空に上って行って。

青空に向かって飛んで行く
カラフルな風船の映像は…、
あの時の……コンチェルトでの
結婚式の時に…自分が…見たかった光景で。

あの日の…曇天の空の曇り空に
上って行く風船の…映像が
一瞬にして…青空に…上書きされて行く。

じわっと…自分の目頭が
熱くなって来るのを感じて…。

感傷に巴が浸っていると。


カシャカシャカシャっと…

また…シャッター音が聞こえて。

へ？？へ？？どうして？？

って…思って…後ろを見たら…。


『お久しぶり…です、生田さん』

と…こっちに小さく手を振っている
スーツ姿の女性が…１人居て。
その女性の顔には見覚えがあって。

「堀田…さん……？？…お久しぶり…です…」

スーツ姿でこちらに向けて
デジカメを構えていたのは…、
あの時私達のコンチェルトでの
結婚式を担当してくれた堀田さんで。

いや…今日は普通に…平日だし
平日にもブライダルフェアあるから、
コンチェルトのプランナーの堀田さんが
ここに居ても…別になんら不思議はないけど。

『結婚記念日…おめでとうございます』

と…堀田さんの後ろから
拍手をしながら登場して
来てくれたのは…あの時にも…
お世話になった船長さん……。

『堀田さんに…あの時の
リベンジしたいんですよって、
相談させて貰ったんですよ』

と…旦那さんが…言って来て…。
そのサプライズに…思わず…
涙腺が緩んでしまってたんだけど…。

セトレの時に使った
ウエディングベールと
花束も用意してくれていて。

船長さんが…あの時の
誓いの言葉を……言ってくれて。
あの時の…挙式の…やり直しを…
私達…夫婦の為にしてくれて…。

誓いの言葉の後に…
左手の薬指にはめていた指輪を
一旦外して、相手に渡して。

指輪の交換をして、
それからベールアップを
して貰って…誓いのキスをした。

私達夫婦と…船長さんと
プランナーの堀田さんの４人だけの
小さな小さな…結婚式……。