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性交私立緊縛高等学校
第1章 1年生
姉妹校 第5編

「どうした?」
 私の前に立っていたのは、しゅっとした佇まいの男性だった。
 先ほどの女性とは、また違った恐ろしさが、私の目に映った。

「こんな怪我をして。可哀想に。そうだ、私が引き取ってあげよう」

「引き取る……?」

「ああ。私は、すぐそこの学校の校長をしている。お前も、私の学校に来ればいい」
 私が血を出していたことに見かねたのか、男性は救いの手を差し伸べてくれた、と思っていた。ただ、今になって私は、当時は胸が小さかったから入学できたことに気づいてしまった。

 初めての高等学校に入学してから私は、胸が急成長してしまったのだ。
 それを見た生徒や先生は、私を嫌い虐めてくるようになった。
 しかし、それを校長先生に言っても、退学という言葉すら出てこないという、同じことの繰り返しだった……。


 はっ……!! 私は何か、夢のようなものを見ていたらしい。
「先生っ!! 切断だけは、やっぱり許してくださいっ!!」
 胸が大きくなってしまったことは、確かにコンプレックスではあるけれど、それ以上に私は、気になることを見つけてしまった。

「なんだ急に? 要らない胸を切り落とす、世間ではそれをダイエットと呼んでいるのだろう?」

「それは誤謬にしか過ぎませんっ!! ……あの、一つだけ質問いいですか?」
 どうしても、ずっと聞きたくて聞けなかったことがある。

「なんだ?」

「性交、いわば性交私立緊縛高等学校って、もしかして……ここの姉妹校……なんですか……?」
 しばらく沈黙の時間が続く。

「そうだが?」

「そこに、私の妹が……いるんです……」
 言ってしまった。ついに。

「そうか、それは御気の毒に」

「えっ……?」
 そんなこと言われるの初めて……。

「性交に行った者は、毎年数名が命を落とす。その原因は、腹上死らしい。そして少なくとも、ここより、たちが悪い」

「そんな……」
 私は嘘だと思いたかった。
 けど唯一言えることは、校長先生は今まで嘘をついたことがない。
 だから信用できたし、それで絶望的になった。

「それに引き換え、お前は本当に幸運だったな。私がお前を見つけなければ、今頃どうなっていたことか」

「…………」
 動揺が止まらない。
 告げられた真実を考えるだけで吐き気がする。

 自分の妹が……もしかしたら……。
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