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社長は彼女の“初めて”を知っている
第1章 仮面の女

──そして。
未だに、誰にも抱かれたことがない。
誰にも言えない秘密。
“セクシー女優”と呼ばれる私が、本当は処女だなんて。
笑い話にもならない。
私は静かに、バスの窓の外に目をやった。
交差点の向こう、手をつないだカップルが、笑い合いながら歩いている。
スマホを見ながらじゃれ合ってる男女。
誰かの胸に甘える女の子。
──この人たちは、当たり前のように恋愛してるんだろうなぁ。
いいな、と思った。
素直に好きになって、素直にキスして、素直に抱きしめられて。
傷ついてもいいと思えるほど、誰かを好きになる気持ち。
──私にも、そんな日が来るのかな。
そう思った瞬間、なぜか胸の奥がきゅっと痛んだ。
理屈じゃない。
これはきっと、“はじまり”の痛み。
未だに、誰にも抱かれたことがない。
誰にも言えない秘密。
“セクシー女優”と呼ばれる私が、本当は処女だなんて。
笑い話にもならない。
私は静かに、バスの窓の外に目をやった。
交差点の向こう、手をつないだカップルが、笑い合いながら歩いている。
スマホを見ながらじゃれ合ってる男女。
誰かの胸に甘える女の子。
──この人たちは、当たり前のように恋愛してるんだろうなぁ。
いいな、と思った。
素直に好きになって、素直にキスして、素直に抱きしめられて。
傷ついてもいいと思えるほど、誰かを好きになる気持ち。
──私にも、そんな日が来るのかな。
そう思った瞬間、なぜか胸の奥がきゅっと痛んだ。
理屈じゃない。
これはきっと、“はじまり”の痛み。

