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社長は彼女の“初めて”を知っている
第1章 仮面の女

私がそう答えると、翼くんは少し笑ってから「研究ねぇ」と呟いた。
その響きが、自分でも少し滑稽に思えた。
恋愛感情すら“分析”しないと動けないなんて、どこか歪んでる気がする。
そして、ふと思う。
(……私、本当に恋愛ドラマなんて、やれるのかな)
演技として誰かを好きになる──その“好き”が、まだどんな感情かも知らない私が。
恋愛って、本能でするものだってよく言われる。
でも私は、何をするにもまず考える。
傷つかないように。間違えないように。
だから、いつも“好き”の手前で止まる。
少しドキッとしても、「いや、それはきっと気のせい」と自分に言い聞かせる。
そうして理性で潰してしまうから、きっと私は今でも恋愛ができない。
その響きが、自分でも少し滑稽に思えた。
恋愛感情すら“分析”しないと動けないなんて、どこか歪んでる気がする。
そして、ふと思う。
(……私、本当に恋愛ドラマなんて、やれるのかな)
演技として誰かを好きになる──その“好き”が、まだどんな感情かも知らない私が。
恋愛って、本能でするものだってよく言われる。
でも私は、何をするにもまず考える。
傷つかないように。間違えないように。
だから、いつも“好き”の手前で止まる。
少しドキッとしても、「いや、それはきっと気のせい」と自分に言い聞かせる。
そうして理性で潰してしまうから、きっと私は今でも恋愛ができない。

