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純潔の檻 ―敵国の騎士に囚われて―
第2章 純潔の夜
「……覚悟は、できているんだね。」

その声には熱も冷たさもなかった。ただ静かに、事実を確認するようだった。

「はい。」

私は答えた。
震える声を出すくらいなら、黙って唇を噛む方がよかった。

「さすがな王女だ。」

そう言った彼の手が、静かに寝衣の襟元へ伸びる。

そして――

布が、するりと肩から滑り落ちた。

「……っ」

空気が肌に触れるだけで、震えが走る。

肌を覆っていた絹の感触が失われ、代わりに彼の視線が這うように降りてくるのを感じた。

「美しいな。」

その一言に、私は思わず目を閉じた。

胸元まで滑り落ちた布を、彼はさらにゆっくりと剥がしていく。

自分の身体が露になっていくのが分かる。

恥ずかしい。でも、抗わない。抗えない。

これが“戦利品”としての役目ならば、王女として最後の矜持を保ってみせるだけ。

だが――
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