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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第13章 一気呵成のカタルシス
その中で、ダイレクトメールを送ってきた楓というファンがいた。

メールの文の端々から滲む気配で、女性であることが伺えた。

楓「はじめまして。『愛すべき肉塊』、一気に読んじゃいました。文章がすごく生々しくて、まるでその場にいたみたいに感じました。葵ちゃんって、抵抗しないのにどんどん状況に絡め取られていく感じがあって……読んでてゾクゾクしました。」

裕樹「楓様 読んでもらえて嬉しいです、ありがとうございます。この話は大体ノンフィクションなので、そんなふうに思ってもらえるなんて、なんだか新鮮なのと、少し恥ずかしさがありますね。自分の中を覗かれているような気分です(笑)」

楓「え!この話ってノンフィクションだったんですか!?秋野先生の文章は、ご自身の照れと葵ちゃんの恥じらいが、一緒に伝わってきて、すごく興奮しますよ。私も読んでいて思わず、胸を観察されるところとか、写真をたくさん撮られちゃうところを自分に置き換えて読んでいたら、すごくドキドキしちゃいました。」

(あのシーンと重ねるって、楓さん絶対大きいよな…)

楓とのメールは、裕樹の無意識に触れるようでくすぐったく、それでいて包み込む安心感があった。
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