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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第13章 一気呵成のカタルシス
プロフィールに記された24歳という若さに、楓は驚いていた。

楓「私より若いのに、自分の経験をここまで文章に書けるのってすごいですね。

私、『愛すべき肉塊』についてもっと語りたいな…。

アキ先生さえ良ければ、色々小説のこととかここで語り尽くせないことたくさんお話したいんだけど、どちらにお住まい?」

「アキ先生」とフランクに接してくる楓に、裕樹は心を許し始めていた。

聞いたところによれば、楓は神奈川に住んでいて、職場で都心の方まで通っているらしい。
 
裕樹は家も職場も都内であることを伝えると、繁華街のカラオケ店で会うことが、とんとん拍子で決まった。

やり取りを重ねるうちに、楓の言葉の端々から年齢のことも見えてきて、分かったことは楓は四十代の女性だということ。

けれど年上の大人の女性だからこそ、この六年間抱え続けた悶々とした感情や罪悪感を、素直に告白できるのではないかと感じたのだ。

聞いてもらえれば、きっと少しは楽になれる。

裕樹はそう信じていた。
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