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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第13章 一気呵成のカタルシス
声を返しながらも、裕樹の視線はそこに釘付けになる。

慌てて顔に視線を移すと、楓は丸みを帯びた頬にやわらかな表情を浮かべ、あどけなさを残した顔立ちをしていた。

その眼差しは落ち着いていて、大人の余裕が漂っている。

さらに目をずらすと、うっすらと茶色の胸までかかる髪と、黒一色にまとめられた服装が目に入った。

光沢を帯びた布地が身体の丸みに沿って流れ、シンプルな装いのはずなのに隠すどころか女の色気を余計に際立たせている。

葵の引き締まった若い身体とは違い、楓の体には年齢相応のだらしなさがあった。

腰回りの厚みや二の腕の柔らかさ──それらは本来なら欠点に数えられるはずなのに、視線を外させない迫力を放っていた。

一瞬、視線はそこに奪われたが、慌てて顔へ視線を移し、なるべく眉間や額に焦点を合わせる。

だが裕樹の努力は虚しく、どこを見ても意識は胸に戻ってしまう。

楓が何かを話しているが、音声はぼやけて聞こえ、視界の中心にはただ双丘の存在だけが居座っていた。

目を逸らしたつもりでも、端には必ず膨らみが映り込む。

まるで逃げ場のない風景のように、豊かな胸がいつまでも焼き付いて離れなかった。

そのアンバランスさ、どこか少女めいたあどけなさと、とめどなく溢れ出すフェロモン。

その二つが同時に迫ってきて、裕樹の理性はあっけなく揺さぶられる。

気付けば、裕樹の身体は会った瞬間から楓に反応していた。
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