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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第13章 一気呵成のカタルシス
僅かな力で自身の胸に手を押し当てる楓とは裏腹に、指先が勝手に心臓に触れられそうになるくらい、奥へと沈み込む。

あの夜以来、六年ぶりの女体の感触は、四十代の年齢を感じさせないほど、ハリがあって熟した果実のような柔らかさがあった。

「んっ…、どう?六年ぶりのおっぱいは?」

楓の甘い囁きに、裕樹は言葉で答える余裕を持ち合わせていなかった。

たまらず、置き去りにされていた左腕も使って両手で大きすぎる双丘を抱え込む。

(でっか…柔らかい…好き…)

葵よりも大きい質量と、圧倒的な重みが指先に伝わってくる。

張り裂けそうなほど昂る胸の鼓動に、裕樹は耐えきれず、その膨らみの中に顔を埋めた。

甘えるように、貪るように、その柔肌に頬が沈んでいく。

記憶に残る葵の匂いが、一瞬よぎった。

だが次の瞬間、楓の香りがそれを押し流す。フローラルな甘さと、肌の熱が生む湿った匂いが混ざり合う。

カラオケの個室で響くのは、歌ではなく、二人の荒い息遣いと、モニターから流れる広告の音声だけだった。

「っ…すっごい夢中…。直接触って…。」

楓が背中に手を回し、逃げ場を塞ぐように裕樹を胸の奥へ沈めていく。

その力加減は、裕樹を喜ばせるよりも、楓が自身の性感帯を裕樹に探させるための行動のようにも思えた。

楓の誘いに導かれ、大きな膨らみから体のラインをなぞるように、裕樹の指先は楓の服の裾を探し当てた。

隙間から滑り込むと、しっとりとした肌が裕樹の指先を迎え入れる。

腰から胸元へ這い上がると、やがて固いブラジャーの生地に触れ、その弾力を指先で確かめる。

その上に覆いかぶさる溢れんばかりの柔肉を、手のひら全体で揉み込み、円を描く。

硬さと柔らかさが掌の中でせめぎ合い、理性を一枚ずつ剥ぎ取っていった。
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