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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第18章 混り合う澱のひとしずく
襖をゆっくりと滑らせ、奥を覗き込む。

「すごい……雰囲気ある。」

「なんか……エロいな……。」

そこは畳の匂いがほのかに漂う、静寂の和室が広がっていた。

床の間の手前にある低い行灯が、灯を待つようにひっそりと影を落としている。

「この部屋、昔の旅館みたいで良いね。」

言葉にせずとも、ナツも同じことを思ったようだった。

ナツは畳の上にしゃがみ込み、行灯のスイッチを入れる。

柔らかな橙色の灯がふわっと広がり、ナツの足元を照らした。

裕樹も後を追うように和室に入り、畳の感触を確かめるようにゆっくり歩く。

「ここが旅館だったらさ」

部屋をぐるりと見回しながら、裕樹は続ける。

「ご飯を部屋で食べて、風呂に行って戻ってきたら、ここ布団を並べられてるやつだよね。」

「あはは、少し気まずいあの感じね。」

ナツはそう言って笑うと、部屋の隅にある押入れの襖へと視線を向けた。

襖を引くと、中には綺麗に畳まれた分厚い布団がいくつか重ねられていた。

ナツは顔を近づけて布団に手を触れる。

「清潔な匂い……。」

そう呟きながら、積み上がった一枚を引き出した。

畳の中央でふわりと布団を広げる。

裕樹もそれに続いてナツの敷いた布団の隣に並べる。

二人でシーツの隅を軽く整えて、立ち上がって眺めると、裕樹は思わず小さく息を吐いた。

さっきまでの落ち着いた和室が、枕元を淡く照らす灯の下で、どこか不埒な閨へと変貌したからだろうか。

そんな裕樹の様子を、ナツは横目でちらりと見る。

「布団敷いただけで、そんなに興奮してるの?」

「だってさ……。こんなの……。」

裕樹は言葉を続けようとして、口をつぐんだ。

何を言っても、ここはそういう場所としか思えなかった。

「こうしたら」

ナツはそう言って、壁のスイッチを指先でぱちんと弾くと、部屋の明かりはすべて消え失せて行灯の灯だけが取り残された。

「もっとそれっぽくなったでしょ?」

ナツはそう言うと、布団を一瞥してから畳の外へと出た。

「上も見てみよっか。」

頬に残る火照りを振り払うように、ナツの後を追うその刹那──

置き去りにされた行灯が、誰かを待っているようだった。
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