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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第1章 青天の霹靂
視線だけでなく、頭ごとコンビニの方向へ向いてしまう。

裕樹は完全に葵の言葉に釣られてしまっていた。

「兎谷くん、私の胸ばっかり見てると思ってたけど……大きい人なら誰でもいいんだ。」

その声音には、皮肉や軽蔑は不思議と含まれていない。

天気の報告でもするような、淡々とした事実確認。

「み、三原さんの胸も見てないし……他の人の胸も、別に……。」

否定の言葉は出るものの、説得力は皆無だと裕樹自身が理解していた。

水掛け論になるかと思ったその時、葵と仲の良い女子グループが合流し、葵はそちらへ歩いていく。

(……やっぱり三原さんが一番デカいな。)

去っていく葵の背中と、その周囲の女子たちの胸元を比較するように視線を滑らせながら、裕樹は内心で呟いた。

並んで立っていると余計に際立ってしまう。

同年代女子とは思えない、ひときわ早熟した肉体。

斜め後ろから見ても、服の上から一目で"胸"だと分かる存在感。

歩くだけで布越しに揺れるそのラインは、学校一と言っても過言ではない。

(…三原さんも誰かに揉まれてたりするのかな。ああ…触ってみたい…。)

好き放題にできる男子がいるとしたら、それは間違いなく勝ち組だ。

そんな想像をしながら、裕樹はため息のように喉を鳴らした。
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