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四谷荒木町の女〜再会の熱い夜
第3章 思い出の女を抱く
 狭い階段を登る女の、花柄のスカートの裾が揺れる。ストッキングを履いていない生白い素足がチラつき、きゅっとしまった細い足首を眺めつつ、後ろから一段ずつ足を踏みしめ、注意しながらついていく。階段を登った先のドアを女が開けた。スイッチを入れる音が聞こえ、真っ暗だった部屋が明るくなる。

 手狭な部屋にベッドと小さなデスクに棚。それだけで一杯だ。整頓され、掃除もされているようだ。ほのかに香水の匂いがした。後ろから女を抱きしめ、ほの白い首筋に顔を寄せる。甘い匂いが強くなる。

 振り向いた唇を奪い、キスをしながら、前に回した手でくびれた腰から撫であげていき、胸の膨らみを手のひらでそっと、下から包んだ。

「……ぁあ」

 キスの合間に甘い吐息がこぼれた。服の上から、胸の隆起を優しく揉んだ。

「脱がせて。シワになっちゃうから」

 甘ったるいささやきと熱い息が頬にかかる。清楚な白いブラウスの後ろのボタンを、上から外していくと、またもや遠い記憶が彼を刺激した。

 ……しのぶも、こうやって脱がせたな。
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