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第5章 二度目の別れ

　……彼女は……かつての恋人だった。広い都会のとある街で奇跡的に再会を果たし、そしてひと時だけ、遠い昔のように肌と肌を合わせ、ベッドの上で、抱き合って交わった。

　……そう信じよう。だから、もう二度と会えないであろう貴女へ、二度目の別れを告げよう。

　込み上げてきた切ない思いを、彼は心の中で噛み締める。

　……さようなら。愛しい女（ひと）へ。さようなら。かつて愛したきみへ。