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池袋ウエストゲート・ラブホテル〜追われる美女の事情(わけ)
第2章 追われる女

しがみついてくる女を抱きかかえ、背後の薄暗がりへ下がった。自分と女の位置をクルっと変える。通りからは神岡の背中で見えないように、抱いた女をかばう。彼の身長は高いほうだ。小柄とはいえない女でも隠せる。それにこの女はスレンダーだ。
「静かに。助けてやるから」
腕の中の女が何か言ったのを黙らせる。
やがて足音が聞こえてきた。革靴の足音だ。どんどん近づいてくる。女が彼を見上げている。しがみつく女の力が強くなる。
「おい。そこの……」
後ろからしわがれたダミ声で話しかけられた。それに反応せずに、咄嗟に、女をぎゅっと抱きしめ、上を向いた小さな白い顔の、赤い唇を奪った。
「……んっ」
まさかいきなりキスをされるとは思っていなかったに違いない。驚いている。が、女は神岡の腕の中で大人しく目をつむった。されるがままになる。
しばらくそうしていたら、背後の気配が動いた。意味不明なつぶやきと足音が遠さかっていく。
……やれやれだ。
キスをやめ、抱きしめていた腕を緩めた。
「行ってしまったようだよ」
「……えっ、あ、そうね」
「静かに。助けてやるから」
腕の中の女が何か言ったのを黙らせる。
やがて足音が聞こえてきた。革靴の足音だ。どんどん近づいてくる。女が彼を見上げている。しがみつく女の力が強くなる。
「おい。そこの……」
後ろからしわがれたダミ声で話しかけられた。それに反応せずに、咄嗟に、女をぎゅっと抱きしめ、上を向いた小さな白い顔の、赤い唇を奪った。
「……んっ」
まさかいきなりキスをされるとは思っていなかったに違いない。驚いている。が、女は神岡の腕の中で大人しく目をつむった。されるがままになる。
しばらくそうしていたら、背後の気配が動いた。意味不明なつぶやきと足音が遠さかっていく。
……やれやれだ。
キスをやめ、抱きしめていた腕を緩めた。
「行ってしまったようだよ」
「……えっ、あ、そうね」

