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僕の愛する未亡人
第11章 僕の愛する未亡人
理央は心配そうに佳織を横目で見る。

「何言ってるの、お付き合いしてる人だったらきちんと言うから。さっきも吐いちゃったから……そんなんじゃないよ」

その言葉が、理央の胸にずきんっと刺さる。
「彼氏じゃないの?」とでも岳に聞かれたのだろうか。
大人気ないと思いながら、理央は逃げるように浴室へ向かった。


*


何を話していいかわからず、気まずい空気が流れる。
時刻はまだ二十二時ごろだというのに、理央はベッドの中に潜り込む。
スマートフォンを仰向けになっていじっていると、「横、いい?」と控えめな声で、佳織に尋ねられた。

「寝れそうですか?」

スマートフォンを枕の下に置いて、手元にあるリモコンで室内を暗くする。
いつもとは違うぬくもりが、理央の横にじんわりと伝わる。
理央のベッドはシングルだから、二人で寝るには狭い。
佳織はためらうことなく、理央の胸に顔を埋める。その距離の近さに、理央の背中と壁が当たる。
理央の背中に佳織の手が回され、二人の呼吸が重なる。


(本間さん、まずいって……)


他者に体を弄ばれ、悔しく、切ない思いをした佳織に対する胸の高鳴りを、理央は悟られたくなかった。
暗闇の中、佳織は理央の胸に顔を埋めたまま、小さく息を吐いた。
泣いた後のせいか、声が少しかすれている。

「……あのね」

理央は返事をすることもできず、ただ耳を澄ます。

「怖かったけど、佐藤くんがいてくれて、良かった」

理央はそっと「何もしてないです」とだけ答えた。
佳織の腕に少しだけ力がこもって、彼女の指先が理央のシャツの生地をつまむ。
理央は目を閉じ、ただその重みを受け止める。
彼女が泣いたあと、必死に何かを取り戻そうとしていることが、痛いほど伝わった。
そして、佳織の唇が――ほんのわずかに、理央の首筋をかすめた。呼吸なのか、意図なのかもわからない。

「嫌だったら、離れる」

佳織の声は、息のように小さく震えている。
けれど、その手は理央の胸の上から離れなかった。
むしろシャツ越しにそっと押し当てるようにして、その下にある温もりを確かめるようだった。

「僕が本間さんのこと、嫌だと思うわけないじゃないですか」

理央の言葉は、掠れていた。その瞬間、佳織の指がほんのわずかに動いた。
ためらいながらも、ゆっくりと理央の首筋に触れる。
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