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僕の愛する未亡人
第14章 欲しがる未亡人 本間佳織③
翌日。
更衣室のすぐ横にある休憩室には、いつものように冷たい蛍光灯の光が満ちていた。
白い壁に囲まれた狭い空間。透明なガラス越しには、人の姿がない、がらんとした廊下が見える。
ここには、長椅子がひとつ、そしてその向かいに飲み物の自販機が一台。
缶の落ちる音が、その静けさの中に響いた。

佳織は無意識のうちに、昨夜のことを思い出してしまう。
――電話を切ったあとも耳の奥に残る甘い声。
出社してからずっと、視線を落とすようにして過ごしていた。

「……仕事に集中して頂戴…」

自分に言い聞かせるように小さくつぶやいたそのとき、ドアのない休憩室の背後でヒールの音がした。
振り返ると、そこにいたのは冴子だった。

冷たい蛍光灯の光が彼女の黒髪を照らし、柔らかく光る。
佳織の動揺とは裏腹に、冴子は何気ない調子で挨拶する。

「おはようございます」

ほんの一言なのに、冴子の声がまた、昨夜のように佳織を支配する。
佳織は缶コーヒーを握ったまま、言葉を探して口を開いた。

「ブラックだよね?」

「え? あ、はい」

自販機に向き直り、佳織は無意識に指先を動かしていた。
小銭を投入し、ブラックコーヒーのボタンを押す。カシャン、と缶が落ちる音が響いた。

「はい、どうぞ」

差し出された缶を、冴子は少し驚いたように見た。

「あ、すみません……」

「少し……座る?」

佳織は左隣を空けるようにして、長椅子に腰を下ろした。
冴子も腰を下ろして「ありがとうございます」というと、ボトルタイプのコーヒーの缶をカチリと開け、口に含む。

「――佐藤くんが、飯塚さんはブラックだって」

冴子は思わずコーヒーを吹き出しそうになる。

「あの馬鹿。何でも正直に言えばいいってもんじゃないでしょ……相手が本間さん以外の女性なら、発狂するレベル」

「ううん……やっぱり、三人じゃないと成立……しなかったよ。だからいい」

そうぽつりと言った時、「それならいいんですけど」と髪を耳にかける。
その動きと同時に、冴子が脚を組み替えたせいで、ストッキング越しの滑らかな肌のラインが、蛍光灯の光を受けてかすかに艶めいた。
佳織は思わず視線を奪われる。
昨夜更衣室で触れたスカート越しの肌の感触が、自然と思い起こされた。
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