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僕の愛する未亡人
第14章 欲しがる未亡人 本間佳織③
「あ……」

夫にもされたことのない行為に、緊張で体が固まる。
だが、理央に後ろから抱きしめられた瞬間、その緊張は一気にほどけた。
耳元に唇が押し当てられるだけで、ぞくぞくと快感が突き抜ける。
背を支えられた佳織は、優しく仰向けに押し倒された。

「ん……」

頬に、首に、額に、幾度もキスが落とされる。
ただ――これは優しいだけの行為ではなかった。
黒の半袖のカットソーから覗く白い胸元、腕にも唇を理央は押し当てつつ、何度も膝から太ももにかけて、指先で引っ掻くようになぞっていく。

とうに佳織の下半身は波打って、下着の中を蕩けさせているのに、理央は一向に肝心な部分に触れてこない。
手を縛られているせいで、理央の手を敏感な部分に導くこともできない――
びくびくと、体を震わせながら、甘い声を上げるのに。

ようやくスカートからカットソーを理央が引き抜き、柔らかそうな胸を露出させても、赤い下着に隠れた部分以外に、熱心に口付けを施す。
その間も、指で太ももをなぞり続けている。

「ん、んん……ん。佐藤くん…」

佳織は物欲しそうに名前を呼んだ。
太ももに指を這わせながら、理央が佳織の顔を覗き込む。

「舐め…て」

そのお願いに、理央はにやりと口角を上げた。いつもと表情が別人だった。ぞくっと背筋が凍る思いがする。
舌を出したかと思うと、理央はゆっくりと脇腹の辺りを舐め上げる。
思い描いていた刺激とは違う――だが、今日初めての舌の感触だった。それはあまりに強烈で「ああっ」と声を出し、体を仰け反らせる。

「や…ん、違……そこ、じゃな……っ」

佳織がそう言っている間も、理央は脇腹を舐めている。

「どこなんですか……?」

「はぅ……焦らしちゃ……嫌」

「焦らしてないですよ」

嬉しそうに口角を上げながら顔を覗き込み、震えすぎて仰け反ったままの背中に、理央は手を回す。
下着のホックが外れ、ふわりと浮いた布が浮く。
ようやく触ってもらえるのかと思いきや、理央は唇を奪い、唾液で濡れた脇腹を爪で引っ掻くようにするだけだった。

「んんっ、ん……!」

佳織は早く触れて欲しいと、身をよじらせ、舌を一生懸命絡める。

「は…んん、ちゅ……も、ぉ、早く……っ」
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