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僕の愛する未亡人
第15章 欲しがる未亡人 本間佳織④
昨夜の情事後、佳織は平静を装って理央と残業後の岳と夕食をとった。

性行為に慣れている理央も会社での様子は普通で――

(なんか……もうずっと、ドキドキしっぱなし…恥ずかしい)

長年連れ添った夫との安心感を伴うコミュニケーションを越えて、理央は色々な初めてを教えてくれる。
そのせいで、心が追いついていないのかもしれない。

昼休憩、昼食を取らずにパソコンのキーボードを叩く冴子の席の後ろに立った。
気配に気づいた冴子がちらり、と振り向く。
髪が揺れ、柑橘系の香りがふわりと漂った。

「……相変わらず、お昼…食べないのね」

努めて穏やかな声で尋ねる。

「食べると眠くなるので……」

その淡々とした口調に、佳織は小さく息を呑んだ。
まるで更衣室でのことも、電話のことも何もなかったかのよう。完璧に仕事の顔だった。

「あの、もし……今、時間あったら下……来てくれる?」

「いいですよ」

冴子は立ち上がると、佳織に連れられて、非常階段を降り、ひとつ下のフロアに向かった。

階段下は、昼のざわめきから切り離されたように静かだった。
蛍光灯の明かりが少し届かず、壁には柔らかな陰が落ちている。
冴子は壁に軽く手を添えて、佳織を見つめた。
その表情には警戒も、親しみも、どちらともつかない静かな緊張があった。

「……どうしたんですか」

「その……昨日言えなかったんだけど……佐藤くんと、付き合うことになって」

冴子の表情が明るくなり、少女のように微笑む。

「嬉しい。ふふ、確かに上じゃ言えないですね」

冴子の笑顔はあまりにも自然で、心から祝福しているように見える。
それがかえって、佳織の胸の奥がきゅっと締めつける。

「うん……ありがとう」

そう返しながらも、声がわずかに震えた。
冴子はその心の揺れに気づいたのか、少しだけ首を傾げる。

「どうかしました?」

佳織は視線を落とし、床を見つめた。
昨日の夜――理央と交わったあとに残った熱を思い出す。
その熱が、いま冴子の前でふたたび疼き出していた。

「……なんでもない」

小さく笑おうとしたが、うまく形にならなかった。
冴子は一歩近づき、佳織の顔を覗き込む。その距離の近さに、息が詰まる。
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