この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
僕の愛する未亡人
第8章 はじめての夜
その言葉に、佳織の唇から吐息が漏れた。そして佳織は、そっと首筋に唇を寄せる。
佳織からすれば、とても大胆な行動だった。そのことがわかるからこそ、冴子の心臓が大きく跳ねる。

「聞いてるかもしれないけど……佐藤くんの体に……触ったのは初めてじゃなくて」

佳織は言いながら、冴子の肩や腕を撫でる。
腹の奥に甘い痺れが広がるのを感じつつ、冴子は平静を装う。

「な、何が言いたいかって言うと……その時も、今日も飯塚さんのおかげだと思う」

「え?」

冴子は緊張しながら聞いていたのだが、その糸が突然の告白にゆるむ。思わず目を丸くした。
佳織は恥じらうように視線を逸らし、それでも指先は冴子の肩をなぞり続けていた。

「職場で……佐藤くんのスーツから飯塚さんの香水の匂いがしたの」

「――匂い? わからないですけど……」

親指で顎をさすりながら考えるが、本当に思い出せなかった。以前理央と寝た時は土曜日だった。それに例の職場での出来事は先月のことだったはずだ。時期がかけ離れている。

「最近、二人で外回り……行ってるでしょ。あなたが佐藤くんに何かしたんじゃないかと勝手に思って……」

恥ずかしそうに、佳織は冴子の胸に顔を埋めた。

「十年前のセクハラの噂も……本当なんじゃないかって。それで会社で、佐藤くんの体に触ったの。むしろあたしの方が……セクハラどころかって感じだし……」

「――思い出しました。初めての外回りの時の話をされてますよね?」

冴子はわずかに笑みを浮かべ、あえて軽い調子で続ける。

「いつもの飄々とした態度で「ぎゅーしていい?」って言ってきた時に、匂いがついたんだと思います」

あくまで冴子は、職場での出来事を深入りせず、さらりと受け流す。その態度に、佳織の頬がさらに熱くなる。

「そのせいで、嫉妬したの。夫以外はまだ無理だって拒んでたんだけど……他の人が羨ましいと思ったんだから、とっくに、佐藤くんに対する気持ちがあるのよね」

佳織は冴子の胸元で小さく息をついた。指先はまだ冴子の腕を撫でていて、その震えが伝わる。

「だから、飯塚さんがいなかったら、そんな風になってない。今日も……もし佐藤くんしかいなかったら、拒むだけで終わってたと思う」
/150ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ