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僕の愛する未亡人
第9章 はじめての朝
「ん、だめ……って言ってる……でしょ、本間さん」

涙目で訴えたその時……静かな部屋の外側で、廊下を歩く音がした。理央が起きて、トイレにでも行ったのだろう。
二人の体がぴたりと固まる。
冴子は大きく息を吸い、佳織の手をそっと押しとどめた。

「……ほら。今は……だめです、先輩」

わざと「先輩」と呼んで冴子はふふっと笑った。
耳元にかかるかすれ声に、佳織はようやく熱を収めるように手を離した。

「……怒ってる? ごめんなさい」

「やだ、謝らないでくださいよ」

冴子はそう言って佳織の手を握り返す。
小さな手のひらの温もりから、言葉以上に気持ちを伝えようとしているのが佳織にはわかった。

「二人の時に……ちゃんと、してください。本間さんのこと大好きだから」

「も、もう……寂しい女に、すぐそういうこと言う」

「ん? 佐藤くんも、あたしもいるじゃないですか。寂しかったら、どっちかに言えばいいんですよ」

冴子は当たり前のようにきょとんとして言う。
夫を亡くして、息子がいるとはいえ、どこか寂しさを埋めることの出来なかった佳織は、彼らの人とは異なる倫理観の中で救われているのかもしれなかった。
佳織は冴子を抱き寄せ、彼女の髪に唇を落とす。
冴子の温かい肌に、胸の奥の寂しさが少しずつ和らいでいくのを感じた。

「……ありがと」

その一言を返すと、冴子はくすりと笑い、目を閉じた。


*


部屋着を纏い、佳織は浴室へ向かった。
昨日二度もシャワーを浴びたが、夜通し冴子を責め立てたせいで、汗だくだった。

洗濯機の中に部屋着を放り込み、防水パンに備え付けてあるランドリーラックから、黒のマキシワンピースを一枚引っ張る。
下着の上に一枚それを羽織り、意を決して佳織はリビングへ向かった。

「おはよう」

カーテンが締め切られた中、電気も付けずにスマートフォンをいじる理央の背中が見えた。
引き戸からすぐ右手にあるスイッチに、佳織は手を伸ばす。

「電気くらいつけたらいいのに。お布団敷いてなかったから固かったでしょう」

「おはよーございますっ。いや、もうめっちゃ寝たから、全然気になんなかった。歯磨きしたかったんで、洗面台も借りました」

振り返ってにかっと笑う。
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