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僕の愛する未亡人
第9章 はじめての朝
佳織がそわそわとベッドに座っていると、冴子が寝室に入ってきた。

「グラス借りちゃいました。お水のペットボトル出しっぱなしになってたので、頂いて……」

「あ、ごめん、ぬるいので大丈夫だった?」

「はい、大丈夫ですよ」

冴子は佳織の横に座ると、薄闇の中、Tシャツを脱ぎ出す。その美しい体つきに、佳織は目を逸らした。昨日散々いたぶった体なのに。

「……嫌?」

佳織は冴子に視線を向け直した。冴子の柔らかい肩や、薄暗がりに浮かぶ首筋のラインに目を奪われつつも、言葉を選ぶように息を整える。

「……誘ったの、あたしだよ。嫌なわけないでしょう」

佳織も意を決したように、足首のあたりまであるマキシワンピースの布を手繰り寄せた。
するすると、恥ずかしそうに脱いでいく。

「昨日たくさん気持ちよくしてもらったから……お返ししないと」

妖しく微笑むと、冴子は肩を軽く押して、佳織を布団の中に誘い込む。
佳織の柔らかな体に覆いかぶさり、ふわふわの胸を押し当てた。

「朝、あんな風に旦那さんに寝起きフェラ、してたんでしょ」

「んぅ……否めない……」

佳織は恥ずかしそうに、切れ長の目をちらっと冴子に向けた。
四十を過ぎても、おそらく月に一回程度は夫と夜の営みがあった。それは性欲の問題というより、コミュニケーションの一環だった。それ程、夫のことが好きだったし、同じように夫も佳織を愛していたのだろう。

「今日、あんな風に触られて、どきどきしちゃった」

「ごめん、つい……。無茶したのにって思ったんだけど」

「何で。嬉しかったですよ。エッチな本間さん、もっと見たい」

そう言われ、佳織は冴子の体を引き寄せる。
鼻先を冴子の首に髪に押し当てると、ふわりとボディソープの匂いが鼻腔を伝う。その瞬間、佳織の中の理性が削り取られていく。

「ね……お願い……胸を……」

「そんなおねだり、いやらしすぎるよ? 先輩」

昨夜の「キスしながら、乳首……弱いみたい」と言った佳織の台詞を思い出した冴子は、わざと「先輩」と呼ぶ。冴子は胸の形を確かめるように、両手を触れる。
その行為が嬉しくて、佳織は自ら冴子の唇を奪い、舌を絡めた。
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