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僕の愛する未亡人
第10章 はじめての二人の夜
――腹の奥に、ずっと甘い痺れが続く。
冴子が帰った後も、胸の奥や下腹部に残る熱は消えず、佳織は落ち着かないままだった。
今年で五十になった佳織が昨日、今日とこんなにも行為に耽るとは思わなかった。
そして――理央とは二十時に、彼の自宅の最寄り駅で待ち合わせ。
最後まで出来るかどうかわからないと、理央には言ったが、どうなるのだろうか。
不安と期待が入り交じる。
夕方帰ってきた息子の岳に「母さん、出かけてくるから」と声をかけると、岳はテレビに夢中になりながらも、「気を付けてねー」と返事をする。
母であることと、女であること。その境目が、今日はあまりに遠く感じられた。
待ち合わせ場所には、理央の方が先に着いていた。
佳織は白いブラウスに、裾がふわりと揺れるベージュのミディ丈のプリーツスカートを合わせた。
歩くたびに柔らかな生地が脚を包み、五十代特有の丸みを帯びた腰回りや太ももを優しくカバーしてくれる。足元は、黒のストッキングに、控えめな光沢のある落ち着いたローヒールパンプス。
理央はその姿を見て、どきんと胸を高鳴らせる。
職場で見慣れている、どこか色気のあるスーツ姿も好きだ。だが今は違う。
シンプルで品のある装いが、佳織をひとりの女として際立たせ、家に連れて帰るには勿体ない気分になる。
思わず言葉を探しながらも、視線が自然と胸元や脚へと泳ぎそうになり、理央は慌てて目を逸らした。
「い、飯塚さん、何時頃……帰ったの」
歩きながらそう尋ねると、横に並んだ佳織からふわりと落ち着いた香水の匂いが漂う。
どうしても、これからのことを意識してしまう。
「お昼すぎだったかな。おとといから、きっと疲労困憊でしょう? よく寝てた」
「僕も、家帰ってから昼寝した。本間さんは……疲れなかった? その、二人も泊まって」
佳織は小さく微笑んで、切れ長の目を伏せた。
年齢を重ねているとはいえ、長めの睫毛は色気を含む。むしろ、そのゆるめのフェイスラインすら、セクシーだ。
「……ずっとどきどきしっぱなしだった」
ほんのり含みを持たせた声音に、理央の喉がごくりと鳴った。
どきん、どきん、と鼓動が早まっていく。
冴子が帰った後も、胸の奥や下腹部に残る熱は消えず、佳織は落ち着かないままだった。
今年で五十になった佳織が昨日、今日とこんなにも行為に耽るとは思わなかった。
そして――理央とは二十時に、彼の自宅の最寄り駅で待ち合わせ。
最後まで出来るかどうかわからないと、理央には言ったが、どうなるのだろうか。
不安と期待が入り交じる。
夕方帰ってきた息子の岳に「母さん、出かけてくるから」と声をかけると、岳はテレビに夢中になりながらも、「気を付けてねー」と返事をする。
母であることと、女であること。その境目が、今日はあまりに遠く感じられた。
待ち合わせ場所には、理央の方が先に着いていた。
佳織は白いブラウスに、裾がふわりと揺れるベージュのミディ丈のプリーツスカートを合わせた。
歩くたびに柔らかな生地が脚を包み、五十代特有の丸みを帯びた腰回りや太ももを優しくカバーしてくれる。足元は、黒のストッキングに、控えめな光沢のある落ち着いたローヒールパンプス。
理央はその姿を見て、どきんと胸を高鳴らせる。
職場で見慣れている、どこか色気のあるスーツ姿も好きだ。だが今は違う。
シンプルで品のある装いが、佳織をひとりの女として際立たせ、家に連れて帰るには勿体ない気分になる。
思わず言葉を探しながらも、視線が自然と胸元や脚へと泳ぎそうになり、理央は慌てて目を逸らした。
「い、飯塚さん、何時頃……帰ったの」
歩きながらそう尋ねると、横に並んだ佳織からふわりと落ち着いた香水の匂いが漂う。
どうしても、これからのことを意識してしまう。
「お昼すぎだったかな。おとといから、きっと疲労困憊でしょう? よく寝てた」
「僕も、家帰ってから昼寝した。本間さんは……疲れなかった? その、二人も泊まって」
佳織は小さく微笑んで、切れ長の目を伏せた。
年齢を重ねているとはいえ、長めの睫毛は色気を含む。むしろ、そのゆるめのフェイスラインすら、セクシーだ。
「……ずっとどきどきしっぱなしだった」
ほんのり含みを持たせた声音に、理央の喉がごくりと鳴った。
どきん、どきん、と鼓動が早まっていく。

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