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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第20章 愛される資格。
そりゃ、あたしと唯斗さんじゃ年の差が離れすぎているけれど、どうしてこんなに冷静でいられるのっ?
理不尽だよっ!
「ん、っは……あたしばっかり、ずるいっ!!」
キスから解放されたあたしは、ほっぺたを膨らませて抗議する。
もうわけが判らない。
あたしはだんだん唯斗さんに対して腹が立ってきたわけで――。
大人な唯斗さんを睨めば――。
「膨れっ面なまま顔を真っ赤にしている澪ちゃん、可愛い」
てっぺんに唇を落とされた。
はわわわっわわっ!!
「もうっ! もうもうもうっ!!」
あたし、怒ってるのにっ!!
八つ当たりだって判ってるけど抑えきれなくて拳を作って唯斗さんの胸板をトントン叩けば、「ごめんごめん」と悪びれもせずに謝って、あたしの両手が掬い取られた。
「零れちゃうから、ね? 食べて」
唯斗さんの視線を追っかければ、お膳の上にスープ用のカップがあって、中にはお粥が入った野菜スープがあった。
しかもお野菜は食べやすいように細かく刻んでくれている。
だけど今、あたしはそれどころじゃない。
胸がいっぱいで口に入らないんだ。
「ごめんなさい、食欲なくて……」
「俺がたくさん抱きすぎたせいだね」
今度は紳士に謝ってくれる。
抱いて欲しいと強く願ったのはあたしだ。
唯斗さんは悪くない。
「たくさん求められて、嬉しかった、から……」
恥ずかしくて視線を落としながら、それでも声を振り絞ってそう答えた。

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