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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第21章 告白~許しを乞うて大好きな人と一緒に。

「んなっ!! なんだとっ!?」
「――っつ!」
 内心心臓バクバクしながら聞いていると、お父さんは声を荒げた。

「なっ! それはうらや……ゲフンゲフン」


 えっ?
 お父さん?
 さっき何を言いかけた?

 顔を上げれば、何事もなかったかのように会話がすすんでいく……。
 聞き間違い、だろうか。
 きっとそうだよね?

「唯斗、お前が澪を想っていたのは判っていた。わたしもその方がいいと思ったのも事実だ」
「澪ちゃんを抱いたことは謝るつもりはない。今後、もし子供が生まれるようなことがあれば、育児休暇を取って、ナニーも雇う。大学は休学しなければならないかもしれないけれど、卒業の約束は必ず守る」
「唯斗さんっ?」


 ……知らなかった。
 そこまで覚悟してあたしを抱いたの?
 てっきりその場の勢いで抱かれたのだと思った。
 あたしは唯斗さんにとってセフレなんじゃないかと疑ったことも事実だ。
 もしかして、あたしって唯斗さんっていう男性を見誤っていたのかもしれない。

「――俺がそこまで考えていたのは予想外?」
「えっ?」
 ドキッ!
 唯斗さんに訊ねられてドキってした。

「そんな顔しているから」
 苦笑する唯斗さん。
 図星だ。
 今さらだと思うから、あたしは素直に打ち明けることにした。


「――あたし、てっきり唯斗さんにとってセフレだと思って……」
「それは――」


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