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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第21章 告白~許しを乞うて大好きな人と一緒に。

 身を乗り出して抗議すれば、お父さんは、「コホン」とひとつ咳払いをして話しはじめていく……。
「――と、言いたいところだが、お前たちの仲を許したのはわたしだ。しかし、澪はわたしの大切な一人娘。すんなりは頷けない。わたしの気持ちが収まらないのも事実だ。モニター越しでは話しにくい。来週、2日間、一時的に帰国する。唯斗、お前の家で話し合いたいがかまわんか?」
「判ったよ、兄さん」
「澪、お前もだ。良いな?」
「――はい」
 正直少し怖い。
 だけど、きっと唯斗さんと一緒だもん。大丈夫だよね?


 ――……。
 ――――……。

「澪、帰ったよ~ただいま……」
「お父さん、お帰りなさい」
 ガバッ!
 対面を果たするなり両手を広げられ、お父さんに抱擁されるあたし。
「あ~、澪。早くお前に会いたかったよ!!」
 相変わらずのスキンシップ。
「もう、お父さんってば大袈裟なんだもん」
 ぎゅうぎゅう抱きしめられる。
 これは昔から。

「は~、澪。可愛いわたしの姫……」
 ちゅ、ちゅ。
 旋毛やほっぺたにたくさんキスされる。
 抱擁は昔からだけど、流石は海外に行っているからか、今は挨拶のキスがスキンシップの内にちゃっかり加えられている。
 姫っていうのは、幼い頃なら誰でも憧れたごっこ遊びの中での呼び名。
 お父さんが王子様であたしがお姫様っていう設定で遊んでいたものの名残。


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