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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第21章 告白~許しを乞うて大好きな人と一緒に。

 ――え?

 あれ?
 でもお母さんよりってどういうこと?


「えっ? っへ? あたし?」
 何て言われたんだっけ?
 もう理解不能だ。
 あたしはよく判らなくなってしまった。

「お父さんとお母さんとの子供として愛している……じゃなくて? へ?」
「うむむ……本当だ、わたしは母さん以上にお前を愛してしまったんだ」
「それって、えっと……」
 未だ事情を飲み込めないあたしはひとり混乱状態だ。


「お父さんが――? あたしのことを――? なに? どういうこと?」
 自分を指差し話すあたしに、お父さんは苦笑する。
「俺が君を愛するように、異性として澪ちゃんを見ていた、つまりはそういうことだよ」
「流石だな、唯斗。やはりお前の洞察力はなかなかのものだ」
「兄弟だからね、なんとなく判ったよ」
「えっと、えっと?」
「お前を性的対象として見ていた」


「っせ、性的対象!?」


 率直な言葉にあたしは驚いた。
「気持ち悪いと思うか?」
 悲しそうな顔。
 お母さんに出て行かれた時よりもずっと苦しそうだった。
 本当なの?
 本当にあたしのことを――?


「でも、お父さんは一度もあたしに手を出さなかった……」
「できるわけがなかろう! お前はわたしにとって大切な存在だ! たとえ愛していても唯斗を想っている以上は手を出すつもりもない! まあ、誰も居なければ手を出していたこともないかもしれないが……」


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