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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第22章 ふたつの愛をただ一身に注がれて……。

 ボクサーパンツだけを身に着けた状態のままベッドの上に腰掛けてあたしを待っている。
 細身なのに程よくついた筋肉と引き締まった肉体美は流石です。

「澪ちゃん兄さんなんて無視して、おいで。キスしよう」
 思わず見惚れてしまうあたしに手を伸ばす。
 ドギマギしながらその手を取れば――。
 ポスン。
 力強い腕の中に入った。

「……はう」
 唯斗さんの腕の中にいるだけで、もう蕩けそうになっちゃう。
 視線が重なると、もうだめ。
 ゆっくり目を閉じて、唯斗さんがあたしの唇に触れる感触を待つ。
 口を塞がれて、お互いの舌を絡め合う。

「……んぅ……」
 どうしよう。
 ドキドキする。

「力を抜いて……」
 唇が離れると、そっと耳元で囁かれる。
 そうかと思えば、あたしの口を塞いで……。

「……ん」
 ゴク。
 口移しでお水を飲まされた!?

「ゆ、いと……さ?」
「お風呂に入ったでしょう? 水分不足になってしまうからね。しっかり飲まないと」
 そう言うと、唯斗さんはナイトテーブルに置いてあった、水が入ったペットボトルを傾けて口に含み、口移しする。

「ん、うっ」
 ……ゴク。
 またお水を嚥下する。

「も、大丈……」
 ――もう十分飲んだから。
 そう言おうとしたら、ふたたび口移しされる。


「ゆいとさっ!」
 もしかして、あたしまた激しく抱かれるんですかっ!?
 しかも、お父さんのいる前でっ!!


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