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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第23章 親公認の仲になれたけどこれってちょっとおかしくないですか?
……ちゅ。
また、あたしの額に口づけが落とされた。
あたしも、唯斗さんしかいらない。
唯斗さんだけがあたしの感情を揺さぶる。
こんなに好きなのも、きっと唯斗さんだけ……。
できれば、ずっと一緒にいたい。
だけどもし、唯斗さんがあたしに飽きたら――。
そう考えるだけで胸が締めつけられる。
いつかは、お母さんみたいにあたしを手放すだろうから……。
人の心がどれだけあやふやなものかは知っている。
空中で綱渡りをしているような、そんな感覚に近いかもしれない。
「あ、たしね。唯斗さんが好き。ずっと一緒にいたい。でも、でももし、あたしが嫌になったら捨てていいから……」
必死に笑って見せようと頑張るけれど、ダメ。
あたし、泣きそう。
目頭が熱くなって、涙腺も緩んでいる。
「澪! なんてことをっ!」
「澪ちゃん! 俺の愛は変わらない。いいね、もう二度とそんな悲しいことを言わないで」
「そうだぞ、澪。唯斗はそんな軽い人間じゃない。兄の俺がよく知っている。きっとお前を大切にするよ。もし、そうじゃないなら、わたしが唯斗を地獄の果てでも追い続けてやろう!」
――っつ!
唯斗さん……。
「ふぇぇ……」
ぎゅっ。
唯斗さんの背中に腕を回して泣いた。
嬉しくて、嬉しくて――。
お父さんと唯斗さん。
あたしは本当に大切にされているんだって、そう実感したんだ。

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