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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第27章 ーSide:唯斗ー 苦手な朝。
 ◆



 朝の光が閉ざした視界を明るくさせる。
 耳には小鳥の囀りが聞こえてくるものの、俺は朝が苦手だ。
 窓とは反対方向へ寝返りを打って朝日をやり過ごす。
「唯斗さん? 朝だよ……今日、出社でしょう?」
 何やら耳障りの好い、柔らかな少し高い声が聞こえる。

「う~ん」
 もう少し寝かせて……。
 かけ布団を頭まで引っ被り、可愛い声から逃れる。
 しかしいつまでも逃げられない。

「起きて、遅刻しちゃうよ?」
 ゆさゆさ。
 揺さぶられるが、正直どうってことない。


「もう少し……」
 いつまでもミノムシになる俺にとうとう痺れを切らしたのか、彼女はかけ布団を掴み、俺から奪った。

「えいっ!」
 遮るものを失い、光が目に染みる。

「う~ん」
 まだ眠い……。
 寝かせてくれ……。
 俺は細い腕を掴み、彼女を腕の中に引っ張り込んだ。


「っひゃ!」
 可愛い声が聞こえる。
 首筋に鼻を寄せれば、甘い香りがした。
 そのまま引き寄せ、より、抱き心地の好い場所を探す。
 いくらか布を捲ってふっくらとした箇所に触れる。


「えっ? ゆいとさっ!!」
 驚く声は聞こえるものの、徐々に甘い声に変わっていく。

 コプコプコプコプ……。

 触り心地の好いそこは触るたびに水気が出て、滑っていく……。
 触り心地はまるでシルク。


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