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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第28章 エンゲージリング
◆
大学の夏休みが終わるまで、残り1週間まで迫っていた。
お父さんと唯斗さんでの話し合いの結果、大学卒業するまでは家に戻ることになった。もちろん、お父さんとの関係は親子として過ごす。あたしに手を出すことはないと唯斗さんと約束を果たした。
とはいえ、お休みの日は唯斗さんのお家にお泊まりしても良いことになっている。
家からも近いし、特に問題もない。
だけど、やっぱり寂しい。
唯斗さんと一緒にこうして生活できるのも、もうすぐ終わるんだ。
そう思うと、ちょっと胸が苦しくなる。
お別れではない。
だけど……。
でもね、もし、あたしよりも素敵な人が現れたら、きっと唯斗さんはその女性を選ぶ。
判ってる。
あたしは唯斗さんから見ればまだまだ子供だし、年の差は一生埋まらない。
それどころか、森野の血が濃いすぎる。
世間には完全に許されない恋。
世間を欺く背徳感。
あたしは、唯斗さんを縛る権利はない。
――だから、今だけ。
せめて一緒にいられる時間を唯斗さんっていう男性をあたしの心の中に精一杯刻むんだ。
お風呂から上がって、ドライヤーもかけ終えたあたしは、パジャマ姿のまま洗面所を抜ける。
ソファーには唯斗さんが座っていた。
ホットミルクを用意してくれていたらしい。
おいでおいでと手招きされて向かえば、腕が伸びてきて、あたしの身体が唯斗さんに囚われた。
両腕の中にすっぽりと包まれた。
すっと通るミントの匂いが唯斗さんからした。
大学の夏休みが終わるまで、残り1週間まで迫っていた。
お父さんと唯斗さんでの話し合いの結果、大学卒業するまでは家に戻ることになった。もちろん、お父さんとの関係は親子として過ごす。あたしに手を出すことはないと唯斗さんと約束を果たした。
とはいえ、お休みの日は唯斗さんのお家にお泊まりしても良いことになっている。
家からも近いし、特に問題もない。
だけど、やっぱり寂しい。
唯斗さんと一緒にこうして生活できるのも、もうすぐ終わるんだ。
そう思うと、ちょっと胸が苦しくなる。
お別れではない。
だけど……。
でもね、もし、あたしよりも素敵な人が現れたら、きっと唯斗さんはその女性を選ぶ。
判ってる。
あたしは唯斗さんから見ればまだまだ子供だし、年の差は一生埋まらない。
それどころか、森野の血が濃いすぎる。
世間には完全に許されない恋。
世間を欺く背徳感。
あたしは、唯斗さんを縛る権利はない。
――だから、今だけ。
せめて一緒にいられる時間を唯斗さんっていう男性をあたしの心の中に精一杯刻むんだ。
お風呂から上がって、ドライヤーもかけ終えたあたしは、パジャマ姿のまま洗面所を抜ける。
ソファーには唯斗さんが座っていた。
ホットミルクを用意してくれていたらしい。
おいでおいでと手招きされて向かえば、腕が伸びてきて、あたしの身体が唯斗さんに囚われた。
両腕の中にすっぽりと包まれた。
すっと通るミントの匂いが唯斗さんからした。

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