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美味しいサンドイッチの作り方
第1章 『私』が日下部なゆたになったワケ

今ままでずっと一人っ子だったから
兄弟は裏ましいと思ったりしたけど。
私はお姉ちゃんか妹が良かったのに
相手方にお子さんが居るのよって
紹介されたのは…双子のお兄ちゃんズで。
こうして…うちのママと…
お父さんである誠さんの前では
こんな感じにいい恰好してるけど…。
私の前では…全然こんなのじゃない。
私に出来たお兄ちゃんズは…
地元ではちょっとした有名人なのだ。
「ねぇ、ママ…誠さんとの
新婚旅行はいつから行くの?」
『えっとねぇ、明日から行くのよ』
「ええっ…、明日から?そんな急に…っ」
『うん、そうなの…ちゃんとカレー
冷凍してあるからね?素麺も買ってあるわよ
なゆちゃんに食費渡しておくわね』
ご丁寧に…ママは…カレーを
冷凍してストックを作ってくれてるみたいで
その間の食費を私に預けてくれるみたいだけど。
『なつなさん、僕もなゆたちゃんの
手伝いするんで、安心して下さい』
『ハイハイ、ハーイ。
んじゃ、俺食べる係』
と手を挙げているのは
双子の弟の光の方で。
ママは…ご丁寧な事に素麺とか
スパゲティとかスパゲティのソースとか
色々簡単に調理できる物も
予めストックしてくれてるみたいで。
そこを用意周到にして来るんなら
せめて…出発する日を…もうちょっと
余裕を持って伝えて欲しかった。
『光も…、なゆたちゃんのお手伝い
頑張ってくれると父さん嬉しいけどな』
そう誠さんが言うと…
ちょっとむすっとはしてたけど
頭を搔きながら出来る事ならと
光は誠に返事を返していて。
双子のお兄ちゃんズは…父親である
誠さんの前では…こんな感じに
可愛いいい子なんだけど…。
夕食が済んで……ダイニングから
自分達の部屋のある…2階に向かう。
階段を先に双子が登り切って
私は数段分遅れて登り切った。
今私が使ってる部屋は…、
元々は光が一人で使ってた部屋で。
今は私の部屋になっていて、
光は隣の翔の部屋に2段ベッドを購入して
1つの部屋で一緒に居る感じ…だから…。

