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ご主人様の愛はこの身に注がれる
第2章 蜜月夜の始まり


「ぁっ、···ご主人様?」


起き上がろうとすれば、ご主人様は私に馬乗りになり両手首を片手で頭上に固定されてしまいました。これはいけません。ご主人様は奥方様を探して頂けなければ、それにメイドと不貞を働いたと社交界で噂になってしまったら、ご主人様の地位が落ちてしまうやもしれません!これは阻止しなければなりません。


「ずっと、ずっと君を手に入れたかった····」
「···えっ?」


ご主人様の言葉に、つかの間に思考が停止しました。


「星色のサラサラの銀の髪。ピンク色のガーベラのような可憐な瞳。小さく形の良い赤みを帯びた唇。色白でふっくらとした頬···華奢だけれど肉付きの良いからだ···あぁ、全てが愛おしい」


グレーの瞳をうっとりさせて私の頬を撫でるご主人様が、まさかそのような事を思われているなんて、片時も想像した事はございませんでした。


「ご主人、様?···あの···?」
「君は···アメリアは私の婚約者になって貰うよ。その前に、誰にも取られないように、私だけのアメリアにするけれど···」
「それはっ···どのような···」


ご主人様の言葉の続きを聞いてはいけない気がして、私は緩やかに首を震わせた。


「そうだね。アメリアの体に私を刻み込む。最初は痛いらしいから無理をさせてしまうかもしれないけれど、なるべく痛くならないように解してあげるから···」
「なりませんっ!私はただの···メイドですわ」
「それでも私は、アメリアを諦められない」


真っ直ぐな瞳が、私を射抜いた。


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