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忘れたい彼なのに
第1章 忘れたい彼なのに
 暴力を受けてもいないし強要されてもいなかったし、避妊無しのセックスはそのたったの1回だけ。そう反論したかった。
 でもそうすると彼も私も変態だということになってしまう。友達同士のおしゃべりでSだMだと話題にしても、それはファッション感覚で深い理解も具体的な行為の許容水準も世間的にはとても厳しい現実を思い知らされた。

ー私はあと2年間この学校にいなくちゃいけないけど彼はもうすぐ卒業だ、なら彼にこのまま泥をかぶってもらおう、彼とは別れたということにしておけば、卒業後は噂も立ち消えになるはずー

 彼には相談せず一人で決めてしまった。彼にはあとでちゃんと話すつもりだった。彼が上京することは前から知っていて私も都内の大学に進学する予定で卒業しても別れるつもりは全くなかった。

 彼にSNSで誤解を招かぬよう詳しいことは会って話すと連絡し、東京から帰省する日に最寄駅で待ち合わせた。帰路、人通りの少ない小道で思わぬ事件が起きた。


 どうやら私は自分で思っていたよりもずっと人気があったらしい。その私の彼のことをよく思わない男子も多く、特に喧嘩早い一人の男子がこの機会に彼を懲らしめて私を守り、あわよくば恋人同士になろうとして数人の仲間と組んで彼に喧嘩を売るなんて、全くの想定外だった。

 詳細は省くけど、彼らを返り討ちにした彼は一人に重傷を負わせてしまった。運の悪いことに地元の名士の息子だったため恨みを買い、高校は退学になり高卒資格を無くして進学もできなくなった。正当防衛だったのに。人間関係の狭い地方都市の嫌なところだ。私は保身のため地元の名士の側についた。そんな自分を恥じた。

 彼の母親の男癖の悪さも吹聴され地元から追い出されるように二人は姿を消した。それ以降、彼とは一度も会っていないし、合わせる顔がないから会いたくもない。本当に弱い女だ。
 だから彼のことは思い出さないようにしていたのに。彼を忘れるために東京の女子大に入学したのに。社会人の恋人ができて卒業したら結婚しようと約束しているのに。最後に会ってから7年も経っているのに。
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