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NEXT EXTRA 2025
第1章 Halloween Love
薄暗がりの中、僅かに明かりが漏れる場所へ目掛け、足音を立てないようゆっくりと歩を進める。

足指が半分ほど沈む絨毯からは、ゆっくり歩かずとも足音は立ちそうにない。
けれど、その絨毯の上には、買い漁ったお土産品の袋の数々や。
広げたスーツケース、脱いだ服や靴、子どもたちのおもちゃ、などなどありとあらゆるものがトラップのように散らばっている。

それらを暗い中でも踏まないよう、体の一部でも当たって音を立ててしまわないよう、なかなかに注意が必要だ。

やっとたどり着いた、目的の引き戸にゆっくりと手をかけた。

暗がりから急に明るい場所に移動したからか、目がチカチカする。

「...え!うそ!もう寝たの??」

洗面台で髪を振り乱してドライヤーをかけていた稜が、慌てるようにスイッチを落として振り返る。

「寝た。2人とも爆睡」

引き戸を閉め直し、羚汰は洗面台にある歯ブラシを手に取った。
まだ光に慣れない目をシパシパさせながら、歯磨き粉を擦り付ける。

「琉尹(るい)も、玲那(れいな)もベッド置いたら速攻」

「昼間は凄かったもんね。2人とも」

8歳ともうすぐ2歳と歳が離れている2人も、始めて見る大型遊園地の世界に大はしゃぎ。
それぞれが電池切れるまでには、大人のほうがぐったりだ。

なんとか辿り着いたこのホテルは、ファミリー向けで。
ベビーベッドは貸してくれるし。
子ども用のエキストラベッドは、他のベッドに比べると床からさほど高くなく、寝相がどんなに悪くて落ちても安心な高さ。
お風呂場も、広い洗い場があって、子どもとゆったり入ることが出来る。

「今日は本当にありがと。お風呂、お湯残しといたよ」

まだ重く濡れた髪を乾かす為、稜はドライヤーのスイッチを入れ直した。

お風呂のお湯残しといて、とは言ったけど、たぶん意味分かってないな。

動かしていた手が止まり、ついつい口元が緩んでしまう。

「やっぱり、お風呂浸かると足の疲れが全然違うよねー」

確かに1日歩き回ったけども。

大急ぎで歯磨きを済ませ、口をすすぐ。

顔を上げると鏡越しに、髪を振り乱して乾かしている稜が目に入って、笑いが零れる。
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