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あなたに抱かれたい
第5章 父が連れてきた女
「冗談に決まってじゃないの
ほんと、ユーモアの欠片(かけら)もないんだから」
冗談だったのか…
母親のジョークを拓哉もまた真に受けて冷や汗をかいた。
「まあ、冗談はともかく…
拓哉さんでしたっけ?あなたもそれなりの年齢のようですから子作りはなるべく早くした方がいいわよね
私たちは初孫を楽しみにしてますからね」
「それでは僕たちの結婚を許していただけますか?」
「当然よ。ねえあたな、それでいいわよね?」
妻に念を押されて、やむなく久美子の父親も首を縦に振るしかなかった。
。。。。。。。。
「君のお母さんの助け船がなかったら、きっとお父さんに反対されていただろうな」
「うふふふ、お父さんね、昔っからお母さんに頭が上がらないの」
そんな話をしていて久美子の緊張がほぐれてきたのか、いつも通りの柔和で優しい微笑みを浮かべる久美子に戻ってくれたことに拓哉は安堵した。
自宅に到着して、拓哉は玄関を開けて明るく大きな声で「ただいま、お客さんを連れて帰ってきたよ」と声をかけると「はぁ~い!」と元気な声がして茉優がお出迎えにキッチンから飛び出してきた。
父が女性を我が家に連れてくるだろう事は予想していたが、久美子の姿を一目見て茉優はたじろいだ。
きっと彼女と言うべき方だろうから父と同年代の女性を想像していたのだが、父の拓哉の背後に佇む女性は、茉優の姉と言っても過言ではないような若い女だったからだ。
「ん?どうした、茉優一人かい?正弥は?」
「あの子、お客さまをお迎えするにあたって、どの服装にしようかまだ迷っているみたいで部屋から出てこないのよ…
正弥ぁ~!お客さまよ~!」
茉優が二階に向かって大声を上げると、パタパタとスリッパを踏み鳴らして正弥が渋々と階段を降りてきた。
そして、玄関の久美子に気づくと、正弥の足がピタリと止まった。
「どうやら正弥もお客さまにびっくりしているみたいだわ…
私たち、もっとその…」
「拓哉さんと同年代の人だと思った?」
拓哉の背後からひょいっと顔を覗かせて久美子が優しい笑みを浮かべて茉優に「こんにちは、あなたが茉優さんね」と話しかけ、「久美子です。五十嵐久美子です」と挨拶した。

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