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夫の上司に手籠めにされる若妻
第2章 若妻嬲り
渡辺は、誠の命運を餌に、美幸を支配下に置いているという優越感を隠そうともしない。

「ありがとうございます。主人も渡辺部長のお陰と申しておりました」

美幸は、渡辺の顔を直視することができなかった。終始、伏し目がちで、渡辺からの言葉に小さく、緊張した声で答えるしかなかった。

「まあ、私ならこれくらいのこと何でもないよ」

そして、渡辺はニヤつき、意味深な言い方で美幸に視線を送りつけた。

「それに、今回は奥さんの献身的な支えがあったからねぇ」

その「献身的」という言葉が、先週のホテルの行為を指していることは美幸にも明らかだった。

「まあ、桜井君のため、これからも彼を支えてやって欲しいねぇ…」

それは、夫の立場を守るために、今日これからどこへ行き、何をするかを暗に伝えていた。

美幸は、その屈辱的な要求に抵抗する言葉を持たず、「……はい」と、俯いたまま小さく頷くしかなかった。

「できた奥さんを持って、桜井君は本当に羨ましい」

渡辺は、美幸が夫への愛のために自分に服従している状況を楽しみ、嫌らしい言い方で美幸を讃えた。

その瞬間、テーブルの下から、渡辺の熱を持った手が美幸の冷たい手を握った。

「それでは、奥さん、行きましょうか?」

渡辺は、美幸を促した。目的地が、先週と同じ場所であることを、美幸は悟っていた。

喫茶店を出た二人は、再び人通りの少ない裏通りへと向かった。

美幸は、渡辺の半歩後ろを、少しうつむき加減でついていく。その姿は、一見すると前回と同じく、卑劣な男に付き従う他人の妻のように見える。
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