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二泊三日の陵辱/浅山知代、十八歳
第1章 陵辱の二泊三日の始まり
 部屋着の自分の姿を鏡でチェックしていると知代のスマホが鳴った。登録されていない番号からの着信だが、その番号に知代は見覚えがあった。会社から送られてきた仕事の詳細メールに名前と共に記載してあった明日のディレクターの電話番号だ。

 慌ててスマホを手に取る。

「もしもし」

 スマホに向かって話しかける知代の部屋着のボタンとボタンの隙間から、健康そうな色の肌が見えていた。



「明日のディレクターの権田といいます」

 電話のもこうの声がそう言った。知代よりもずっと年上で少し太っていそうな声。瞬間的にそんな印象を受けた。

「浅山です。よろしくお願いします」

 初対面の男の人は、たとえ電話だとしても緊張してしまう。まだ高校卒業後間も無く社会人経験の少ない知代は学校の先生以外でずっと年上の男性と話をする機会が今まであまりなかった。

 とりあえず相手に失礼のない挨拶が出来たかと、知代は薄い胸を撫で下ろす。

「うん。もうホテルかな?」
「はい、そうです」
「じゃあ、申し訳ないのだけど今から少し打ち合わせがしたいのだけど」
「今から、ですか?」

 困惑しつつも答える。

 今の知代はホテルの地味な部屋着姿。この格好で外には出たくはないし人に会いたくもない。しかも今は下着を身に着けていない。そんな状況で男性と会うなど、考えただけでも胸が苦しくなる。

「出来れば今日中に仕事の説明をしておきたい」

 そんな知代の気持ちなど知らない権田が何事もないような口調で言う。実際に権田にとっては何ほどのことでもない、ただ打ち合わせをしようという、それだけの話だ。

「明日は会場に入ったらすぎにコンパニオン達にレクチャーをしなければいけなくてね。その間に浅山さんにはテーブルなどの運んで会場の準備をしておいてもらいたい。今のうちに打ち合わせが出来ると明日の朝が楽だし、慌ただしく動かなくてすむと思う」

 そう言われてしまうと無下に断れない。
 まだ社会人経験もイベント経験も浅い知代は、その経験値の少なさが由来の真面目さで仕事に全力で取り組んできた。仕事慣れしてしている人がするように上手く手を抜く、と言うことがまだあまり分からない。

「ホテルの一階のロビーあたりで会えれば、と思うんだけど。どうだろうか?」
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