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サンタクロースが遅すぎる
第1章 サンタクロースが遅すぎる
「英子から聞いた。・・・こんな時、こんなふうに、こんな事言うなんて、卑怯かもしれないけれど」

うううん・・・卑怯なんかじゃないよ・・・

「あいつに言われてっていうのも、なんだか情けない感じだけど」

おせっかい・・・だよね。
本当に。

「でも、佐知が他の男と付き合って・・・って聞いて、俺・・・」

わざと言わなかったんだよ。
言ったらなんだかおかしなことになりそうで。

「もう後悔したくないんだ・・・」

だから・・・

「俺と、付き合ってくれ」

智樹が私に、はっきりと言った。

「な・・・何言ってるの・・・?」
そう、何を言ってるの・・・だ。
今なら引き返せる。ダメだよ。だって、英子があなたを好きなのよ?
だから・・・

ブルッと彼のスマホが震える。
ほとんど同時に私のスマホも震えた。

智樹が自分のスマホを見て、そして、私にも見るように促した。

ラインの着信。英子から。
サンタのスタンプの後に、こうあった。

『私からのクリスマスプレゼントだよ!』

しばらくして、もう一つメッセージ。

『私は玉砕したからさ』

最後にこうあった。

『あんたの気持ちも、知ってた・・・ごめん』

スマホを両手で握りしめる。親友はずっと気づいていたんだ。
気づいてて、気づかないふりをしていた。
私も、気づかないふりをしていた。

だから、私が『彼』と付き合ったとき、彼女は智樹に告白した。
私の奥底に隠していた気持ちを、分かっていたのに、告白した。

彼女もずっと、苦しかったんだ。

私の目から涙が流れる。
それを見た、智樹がちょっとリアクションに困ったような顔をしている。

ごめん、智樹・・・きっと智樹にはなんだかよくわからないよね。
いつか、説明するから。
おちついて、このことが笑い話として3人で話せる日が来たら、きっと。

「あ・・・あのね、智樹・・・」
泣き笑いの私の顔を見て、なおさら智樹が困ったような顔をする。
返事、しなくちゃだよね・・・。

「佐知・・・?」
心配そうな顔をしないで。
私、やっといろいろ吹っ切れたからさ。
だから・・・

「うん・・・」

私が小さく頷くと、笑っちゃうくらいあからさまに、貴方の顔が輝いた。

「じゃあ・・・」
「よろしく・・・お願いします」
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