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サンタクロースが遅すぎる
第1章 サンタクロースが遅すぎる
窓の外の街の光。きらきら、きらきら。
寒い冬のクリスマスのイルミネーションみたいに・・・。

慌てん坊のサンタクロースはやってこなかったけれども、
ちょっと遅いサンタさんは、来てくれたみたい。

いや・・・遅かったのは、
私が、本当の自分の気持ちに気づく・・・ことだったか・・・。

10年分の想い。
今日は、私の25歳最後の夜・・・
それならば、この親友からのプレゼントに甘えちゃっても、いいのかな。

「智樹・・・私さ、明日で26歳なの」
「あ、うん・・・そうだな。誕生日だよな、明日」
「覚えててくれた?」
「当たり前だ」
「で?プレゼントは?」

私が言うと、あからさまにウッと息をつまらせる。
そりゃそうだ。あなた、今さっき、英子に事情を話されて、英子から尻叩かれて来た・・・ってことでしょう。

クリスマスプレゼントも、誕生日プレゼントも、持ってやしないでしょう?

ふふふ・・・私は笑う。

単純な智樹。
私がつらい思いをしているって聞いて、すっ飛んできた・・・すっ飛んできてくれたあなた。

そんなあなたがとても、とても愛おしく感じる。

「なんだ、プレゼントないの?」
「あ・・・明日、明日渡すよ」
「それじゃあ、間に合わないわ。だって、もう・・・あと3時間で、明日だもん」
「いや、明日の午後にでも・・・」
「え?クリスマスの夜。私をこのまま置いていくつもり?」

いたずらっぽく言ってやる。とびきりの笑顔で。
昔、楽しかった頃、バカ話をしたあの頃みたいに。
でも、それよりもずっとずっと私たち大人になった。ずっとずっと、いろんなこと分かるようになった。

あなたの気持ちも、英子の気持ちも。
あなただって・・・、ね?

私の言わんとしていること、やっと分かったみたい。
少し、肩を落として、智樹が微笑む。

「部屋、探すの、待ってくれる?」
「もちろん・・・」
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