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助教 沙霧
第10章 秘密のいとなみ ~研究室~
『玉の緒よ 絶えねば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする』
――私の命よ、絶えるなら絶えてしまえ。これ以上生き長らえれば、秘めてきた恋心が漏れ出してしまいそうだから――
もう、忍ぶことはできない。
沙霧は研究室を埋め尽くす貴重な資料や論文の数々が、自らの淫らな昂ぶりで汚されていくような感覚に、途方もない罪悪感と、言い知れぬ背徳の悦びを感じていた。自分が築き上げてきた「瀬川沙霧」という虚像を、自らの手で、最も卑猥な形で破壊していく。誉という主の命令に従い、自分という供物を捧げる。
絶頂が訪れたとき、沙霧はデスクに突っ伏し、び泣いた。資料室の古びた紙の匂いが、自分の情欲の匂いと混ざり合う。かつて誇りだったこの場所が、今は自分を辱めるための檻でしかない。
沙霧は震える指で、撮影した画像を誉へのプライベートメッセージに添付した。
添えた言葉は、一言だけだった。
『……これが、私の「証」です。主さま・・・・』
送信ボタンを押した瞬間、沙霧は全身の力が抜け、椅子から滑り落ちて床に座りこんだ。
窓の外、夜の大学構内には、冷たい冬の月が昇っていた。明日の朝、彼女は再び、凛として教壇に立たねばならない。
だが、彼女の魂は、すでにこの汚された研究室の床に、永久に繋ぎ止められていた。
――私の命よ、絶えるなら絶えてしまえ。これ以上生き長らえれば、秘めてきた恋心が漏れ出してしまいそうだから――
もう、忍ぶことはできない。
沙霧は研究室を埋め尽くす貴重な資料や論文の数々が、自らの淫らな昂ぶりで汚されていくような感覚に、途方もない罪悪感と、言い知れぬ背徳の悦びを感じていた。自分が築き上げてきた「瀬川沙霧」という虚像を、自らの手で、最も卑猥な形で破壊していく。誉という主の命令に従い、自分という供物を捧げる。
絶頂が訪れたとき、沙霧はデスクに突っ伏し、び泣いた。資料室の古びた紙の匂いが、自分の情欲の匂いと混ざり合う。かつて誇りだったこの場所が、今は自分を辱めるための檻でしかない。
沙霧は震える指で、撮影した画像を誉へのプライベートメッセージに添付した。
添えた言葉は、一言だけだった。
『……これが、私の「証」です。主さま・・・・』
送信ボタンを押した瞬間、沙霧は全身の力が抜け、椅子から滑り落ちて床に座りこんだ。
窓の外、夜の大学構内には、冷たい冬の月が昇っていた。明日の朝、彼女は再び、凛として教壇に立たねばならない。
だが、彼女の魂は、すでにこの汚された研究室の床に、永久に繋ぎ止められていた。

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