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助教 沙霧
第14章 帰路の命令
冬の日は短く、大学の正門を出る頃には、街はすでに濃密な藍色の闇に包まれていた。
街灯のオレンジ色の光が、凍てついたアスファルトを等間隔に照らしている。
沙霧は、マフラーを巻くこともせず、依然として右手の指先を自らのうなじに添えたまま歩いていた。冷たい外気が、露出した首筋と、指先の熱を奪っていく。
駅へと向かう道すがら、スマートフォンのバイブレーションが、コートのポケットの中で短く震えた。沙霧は立ち止まり、周囲を警戒するように見渡してから、画面を開いた。
「報告を受け取りました。後輩の視線に悦ぶ自分を自覚したのこと。沙霧、貴女は自分が思っているよりはるかに強い「被虐への欲求」を心の、いや、身体の奥底に秘めているようですね。さっきのメールを打ちながら、身体のほてりを自分で鎮めようとしたのでしょう。でも鎮め切ることは叶わず、被虐を求める炎がまだちろちろと貴方の燻っている。違いますか?」
すべてを見透かした誉の言葉に、沙霧は身体の中心部をさらに熱くする。誉のメールはまだ続いている。
「そのほてりを、私が鎮めてさしあげましょう。うなじにつけたのと同じ「印」を、あなたのその豊かな乳房に刻みなさい。爪を立て、強く、深く、いますぐそこで。トイレや物陰に隠れるなどしてはいけませんよ。人の視線に怯えながら、しかし気づかれないように。その矛盾した状況で、不条理な命令に従う。なぜ従うのか。それは私がくだした命令だからです。さあ、言われた通りにしなさい」
沙霧の喉が、引き攣るように鳴った。
駅近くの雑踏の中で、今この場で手をブラウスの中に、ブラの内側に侵入させ、新たな「印」を刻む……その背徳の行為に沙霧は震えた。それは紛れもなく、被虐の願望が満たされようとしている悦びの震えだった。
街灯のオレンジ色の光が、凍てついたアスファルトを等間隔に照らしている。
沙霧は、マフラーを巻くこともせず、依然として右手の指先を自らのうなじに添えたまま歩いていた。冷たい外気が、露出した首筋と、指先の熱を奪っていく。
駅へと向かう道すがら、スマートフォンのバイブレーションが、コートのポケットの中で短く震えた。沙霧は立ち止まり、周囲を警戒するように見渡してから、画面を開いた。
「報告を受け取りました。後輩の視線に悦ぶ自分を自覚したのこと。沙霧、貴女は自分が思っているよりはるかに強い「被虐への欲求」を心の、いや、身体の奥底に秘めているようですね。さっきのメールを打ちながら、身体のほてりを自分で鎮めようとしたのでしょう。でも鎮め切ることは叶わず、被虐を求める炎がまだちろちろと貴方の燻っている。違いますか?」
すべてを見透かした誉の言葉に、沙霧は身体の中心部をさらに熱くする。誉のメールはまだ続いている。
「そのほてりを、私が鎮めてさしあげましょう。うなじにつけたのと同じ「印」を、あなたのその豊かな乳房に刻みなさい。爪を立て、強く、深く、いますぐそこで。トイレや物陰に隠れるなどしてはいけませんよ。人の視線に怯えながら、しかし気づかれないように。その矛盾した状況で、不条理な命令に従う。なぜ従うのか。それは私がくだした命令だからです。さあ、言われた通りにしなさい」
沙霧の喉が、引き攣るように鳴った。
駅近くの雑踏の中で、今この場で手をブラウスの中に、ブラの内側に侵入させ、新たな「印」を刻む……その背徳の行為に沙霧は震えた。それは紛れもなく、被虐の願望が満たされようとしている悦びの震えだった。

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