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助教 沙霧
第14章 帰路の命令
 気づけば、沙霧はいつもの通勤電車の中にいた。

(人ごみの中であんなことを……顔も知らない男の命令で…)

 駅前の雑踏での秘めた行為。自ら爪を立てて刻んだ新しい「印」が疼き、神経がそこだけに集中する。
 誉は「私が鎮めてさしあげましょう」と言った。だが沙霧の「ほてり」は鎮まるどころか、新たな「印」を刻む行為によって熱を増し、秘部は触れなくてもわかるほどに淫液を滴らせる。

(あぁ……触りたい…弄りたぃ……早く家に…)

 沙霧の身体が、心が沙霧自身を急かす。毎日乗っている、いつもと同じ電車が、今日は沙霧の淫らな思いをあざ笑うかのごとく、ひどくゆっくり走っているように感じられた。

(あぁ……主さま…鎮めてください……この淫らなほてりを……)

 電車がようやく自宅の最寄り駅に着く。自宅のマンションへと向かう暗い夜道。駅から遠ざかるほどに人の往来は途絶える。前後に人の姿が見えなくなるやいなや、沙霧は「印」を刻んだときと同じように、いや、その数倍の大胆さでブラウスのボタンをはずし、手を入れてブラをずらす。

(あっ……あ…)

 疼く「印」に手を合わせ、乳首をつまみ、乳房を揉みしだく。
 不意に脇道から人が出て来る。ハッとしてブラウス内に挿入した手をはずす沙霧。中途半端な刺激に、沙霧の「ほてり」の炎がさらに燃え盛る。

 自宅のワンルームマンション。自室に駆け込んだ沙霧はバッグをその場に投げ出し、そのまま玄関の床に崩れ落ちるようにへたり込んだ。
 誉へのメール。

「……今、帰宅しました。ご命令通り、人ごみの中で胸に「印」をつけました。私は今、その恥ずかしさで、身体の中が焼け付くように熱いのです。どうかこのほてりを、鎮めてください……主さま……』
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