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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第14章 むっつり女と純情男(前編)
☆☆☆
「お邪魔・・・します・・・」

『Hola!』を出て、ほろ酔い気分で電車に乗り、彼女が初めて俺のマンションにやってきた。場所は東京の都心と郊外のちょうど間にある住宅街にある割と高層のマンション。2LDKという、ひとりで住むには少し広すぎたなと思っていたくらいの物件だったので、ちょっと物を整理すれば、二人で過ごすのもそんなに難しくない部屋だった。

もちろん、彼女が今日来るというのは事前にわかっていたことだったので、一昨日、休みを取って死ぬほど掃除してある。

玄関を入ってキョロキョロとあたりを見渡すゆらさん。
とりあえず一通り、家の中を案内する。

「ええと、こっちがトイレ、こっちがリビングとキッチン。リビングのこっち側、一応南向きなんだけど、バルコニーがあるんだよね。」

ゆらさんは、ぼそっと『すご』と漏らしていた。多分、小声で言ったつもりなのだろうけど、バッチリ聞こえていた。満足してくれたみたいで、ちょっとホッとしたりした。

「あと、こっちの部屋は・・・」

うちの部屋は玄関入ってすぐ右手に通路が折れるようになっている。その通路の右手にお手洗い、お手洗いの隣の扉は大きい方の部屋につながっており、トイレの向かいには小さい方の部屋につながる扉がある。そっちの扉を彼女に開いてみせた。

「え?この部屋・・・ほとんど何にもないんだけど?」

そこは間取り上は客間となっているところだ。ファミリー世帯だったら子供部屋にあてがうことも想定されている部屋だったが、俺の場合ほとんど機能してなかった。

実は買った当初はここを書斎にでもしようと考えていたのだけど、結局リビングで仕事をしてしまっていた。つまるところ、俺自身、このマンションの間取りを持て余していたわけだ。

「ええと、この部屋、元から殆ど使ってなかったから・・・ここに、ゆらさんの物とか置けるかなって」
「え?ええっ!?」

彼女にとって、これは想定外のことだったらしい。
それでもイヤってわけじゃないみたいで、部屋の中に入ってまじまじと見渡していた。

そんな彼女を見ながら、もうひとつ、大切なことを言わなくてはいけなかった。

「あ・・・っと・・・それから、ね、寝るところなんだけど」
「ひゃい!」

俺の言葉に反応して、彼女が妙な声を上げた。
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