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甘い飴と甘い鞭
第8章 籠絡
「ひあぁ……ッ、あ、あっ、ジェイ……!」
「やっと呼んだな、名前」

おれは夢中でジェイの名前を呼んでいた。
羞恥とか、惨めさとか、そんなものはもうなかった。
ただただ、目の前の快楽に夢中になる。
尿道のプラグがおれの中の圧力で律動と一緒にゆっくりと抜けていく、それも快楽でしかない。

「あッ、あぁッ、出ちゃう……!」

ぴゅっ、と噴き出すのは精液じゃない。潮だ。
二度、三度と弧を描いて噴き上がったそれは生温かくおれの体を濡らして行く。
肌を弾く音に、自分の快楽に夢中で腰を振るジェイが楽しそうに冷徹に微笑うのが見えてぞくりとした。

「これでも、俺じゃダメだって言うのか」
「……、……」

……ダメじゃない。
おれの脳がそう言った。
目の前のこれが、おれにとっての答えそのものだった。
だけど、口になんてとてもできない。
おれは頭を振る。だけど、それはジェイにとってNOと同じだったようだった。
苦く微笑って、噛みつくように唇を貪られる。
そうして、おれの腰を強く揺さぶって、ひたすらに穴を犯した。
おれの、意識が飛ぶまで。

「愛してるよ、シオン」

そんな声が聴こえたのは、幻だったのかな。
その声色がジェイなのか、あの人なのか、おれにはもうわからなかった。
それぐらい、おれの中ですべてが融けてしまう夜だった。
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